先日は京都の染色業の排水について書きましたが、
ところ変われば排水の方法は変わり、
同じ古都 奈良県では家庭からの排水による水質汚染に悩みます。
まだ整備されていない地域などから
家庭の台所やお風呂の排水口から直接、
川や海へ流れてしまいます。
奈良県の大和川は全国河川水質ランキングで
過去3年間(H17~19年度)ワースト1になっています。
(奈良県 県民だより平成21年 2月号
・大阪府 もっとキレイに!大和川 令和2年7月 参照)
年に数回、奈良に仕事の打ち合わせで
大和川を通りすがり見るのですが
この間は鳥が羽やすめをしているのを
見るととても嬉しくなりました。(^^)
ワースト上位と言っても全国的に
年々水質が改善されているみたいで、
大和川も同じように綺麗になっていると感じました。
一枚の布巾で石鹸、洗剤を使わず、
汚れを落とす事で川の水質改善に
つなげようとご尽力された廣田益久さんがいます。
廣田益久さんは
日本がバブルに沸いてた80年代。
加速度的に大量生産・大量消費が
推奨される時代の真っ只中で逆走をはじめ
ほんの百年ちょっと前の昔の人がやってきたことを
見習って布作りしはじめた偉人です。
当時主流の画一的な生産方式ではなく
人の手を介した手つむぎや、
ガラ紡機で純朴さ巧みに満ちた糸をこしらえ始めます。
その糸は収穫した綿花のわた状の部分を
ほどよく残しながら撚りを加え、
適度な凸凹のある糸を紡ぎます。
そして風合いを損なわないように
ゆっくり織りあげられた素朴な布巾を作りました。
それはたくさんの水を含む構造に
なっているため高い吸水率があり、
繊維の中の水分が一杯だと
油分などの布巾の表面の汚れが
中まで入らずに表面の凹凸との
相乗効果で汚れを落とします。
上記の効果で台所の食器や体を洗い
石鹸・洗剤を使わなくて良いことが結果、川を
汚さないことにつながると廣田益久さんは考えられました。
自分たちの暮らしにもガラ紡布巾は
食器を拭いたり身体を洗うものとして取り入れてます。
布巾を使って顔を洗うときは
石鹸を使う必要がないのかなと感覚として思います。
だけど日々洗剤は使います。
暮らしを見直してみると必要以上に
洗剤を使っている事があるかも知れません。
少しずつですが、
意識して改善していきたいと思っています。
大和川の事を思い浮かべると近くに
流れる美しい川は当たり前のようで
当たり前でないんだなと思います。
どの町、どの日常にも川は流れていると思います。
よろしくお願いします。
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