僕が思う 本建て正藍染の魅力
date: 2025年1月23日author: h.namba

今日は用事があり今、東京行きのバスに乗って移動中。

改めて自分の整理のために

染めのことについてまとめてみた。

本建て正藍染とは

正藍染とは蒅*1を堅木の灰汁だけで

建てた*2伝統的な藍建て*3による「藍染」の事。

正藍染の特徴として抗菌・防虫・遠赤外線等の効果が期待され

色落ちはし難く、色移りがしません。

1)蒅・・・すくもと読みます。藍の葉を堆肥状に醗酵させた原料です。

2)建てる・・・醗酵させることです。

3)藍建て・・・本来の建て方を本建てと呼びます。

正藍染 紺邑 故・大川公一氏のもとで学び受け継いだ現在習得中の技法です。

藍染とは

藍染は、昔から日本で愛されてる染色技法の一つで

僕が行っている藍染は蒅法という

農家さんが丹念に育てた藍草を使い、

発酵させた原料をさら発酵させて藍液を作り染める方法です。

正藍染の特徴は、澄んだ青色がとても綺麗で

他の染色方法とはちょっと違うと思うのは、

何度も染めても色が悪くならない印象があります。

藍草を約6ヶ月間かけて栽培し収穫した後、

およそ90日間をかけて発酵させて原料を作る。

そうして堆肥状に醗酵させた原料を蒅と言います。

藍建てが終わり仕上がった藍液を用いて

精練した布を何回も染めては洗い、天日に干して乾かすを繰り返す。

素材・原料・建て方・染め方・洗い方

複合的な要素が絡んで

堅牢な染めができるかが決まってくると思っています。

正藍染のプロセスは、現代の画一的な生産方式からすると

染めるまでに手間も時間もかかってしまう。

染めている本人は、

手間だと思わないようにと思っていますが、

生業としてやっていく中でここは葛藤が入ったりします。

(昔の人はすごい・・・)

さらに、藍染の布はただ綺麗だけじゃなくて、

抗菌性とか防虫性があると言われているので

日常使いのアイテムとしても

すごく実用的だと思っています。

藍染で染めた布は服とかインテリア、アクセサリーなど、

様々な所で活躍してる。

どの街、全国に師匠のもとで学んだ

藍染師がいるからぜひ調べて欲しいと思う。

正藍染を教えれる?

藍染の魅力を最大限に引き出すには、

ちゃんとした技術の習得や勉強が大切で

書いてある本人も修行中の身なので

人に教えるなどをしていません。


藍染はデリケート?

行商先で藍染は洗ったり保管したりするときに気をつけるとか、

直射日光や洗剤は避けた方が良いとか

よく聞くけど、色落ち・色移りする藍染が登場し出回っていた為

誤解が多く認知されたのが現状で

本来は堅牢な染色方法で

適切に扱えば色移りせず、

色落ちしにくい実用的な藍染になる。

このような感じで、正藍染は、

美しさと機能性を兼ね備えた布として

多くの人に愛されてきたと思う。

自然界と人に優しく、堅牢なこの染色技法は、

現代でもその価値が再認識され続けてはいるが

原料を作る農家さんが一番大変なパートなので

従事される方が少ない点や、

高齢化などによる原料不足が問題になっている。


藍染布の選び方

藍染の布を選ぶときは、その色合いだけじゃなくて、

どんなプロセスで染められたのかにも注目する事をおすすめします。

手染めで一つひとつ丁寧に仕上げられたものは、

無地染め一つでも染師の想いが宿ると思っていて、

使うほどに染師の意思を感じる気がしている。

長年使い続けることで藍染布が良い色味になったり、

ムラが出てこなかったり

風合いが良くなることを「育つ」とか「経年変化」と表現する場合がある。

藍染とファッション業界

藍染はファッション業界でも再評価されてて、

たくさんのデザイナーがその魅力を取り入れたコレクションを発表してる。

ナチュラルでありながら洗練された印象を与える藍染の布は、

現代のミニマリズムやサステナブルファッションのトレンドとも相性が良い気がしている。

こうやって、藍染は、単なる染色技術を超えて、

文化的価値や環境への配慮といった多くの面で人々を魅了し続けてると思いますし

僕はずっと続く技術だと信じているし、誇りに思っています。

これから

未来を考えると、僕の役割は一体なんだろうとこの年始ずっと考えてました。

より若い世代に触れてもらいたいし、届けたい先が明確なのでどうやってアプローチしていこうかなとか。

少しずつ温めてきたアイデアがあるので行動していこうと思います。



南馬 久志
卒業後、約3年、染屋で丁稚奉公を行い、その後、益久染織研究所 企画室に在籍。故 前田雨城の色の文化史の運営に携わる。2020年 かぜつち模様染工舎として動き出し、今に至る。

2025

阪神淡路大震災から30年目


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