かぜつち模様染工舎

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新しい撚糸機をつくった話

h.namba2026年2月9日
nensiki

最近、ガラ紡で紡いだ糸を安定して撚れるようにするため、新しい撚糸機を自作しました。 これまで試してきた方法や従来の撚糸機は、機械紡績糸を撚ることを前提に設計されているため、手紡ぎに近い方法で作られるガラ紡糸では、糸が細くなるほど途中で切れてしまうことが多く、なかなか思うような双糸や撚糸ができませんでした。

そこで今回は、「糸に余計な負荷をかけず、一定の張力で撚りを入れること」を目標に、構造から見直して撚糸機を作ることにしました。 市販の部品を取り寄せたり、ホームセンターで数時間悩みながら部材を選んだりしつつ、ローラーの配置や回転の伝え方を少しずつ調整しています。

また、ガラ紡機側の足りなかった部品についても、鉄工所で切り出してもらった鉄材を熱して叩き、自分の手で作り直しました。

iron-stick

昨年末から少しずつ整えていくうちに、機械全体の動きもずいぶん良くなってきました。 いまでは10錘を同時に動かして糸を紡げる状態に近づいてきています。実際に撚糸機と組み合わせて動かしてみると、これまでよりもずっと安定した糸を拵えられるようになり、ガラ紡糸でも切れずに撚りをかけられるようになりました。まだ細かな調整は必要ですが、当初の課題だった糸切れは、大きく解消されはじめています。

機械を自作するのは手間もかかりますが、 糸の状態を見ながら少しずつ改良できるのは大きなメリットだと感じています。

昔、丁稚奉公で染めを教えていただいた職人さんから、「道具は自分で作るものだ」と教わったことがあります。 身長140cmほどのその方は、背の高い下駄を自作し、アパレル幅(112cm)の生地を捺染台に地張りして、たった一人で捺染をされていました。Iさん、いまもお元気でしょうか。

この撚糸機とガラ紡機で、これからどんな糸が生まれてくるのか。 自分でもとても楽しみにしています。

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