長年眠っていた和式紡績機「ガラ紡機」をついに動かすことができました。 ガラ紡とは、明治時代初期に日本で臥雲辰致(がうんたっち)氏によって 発明された伝統的な紡績機のことで、機械がガラガラと音を立てながら 綿糸を紡ぐことからその名が付いています。

ガラ紡でできる糸は、手紡ぎに近い素朴で柔らかな風合いが特徴です。
このガラ紡機は長年放置されておりました大切な元上司に譲り受けていただき、 全身サビだらけでパーツも足りない状態でした。最初に動かしてみた時は、 どのような構造で動くかさえも不明でした。
そこから不足している部品はひとつひとつ取り寄せ、 古い鉄部品は加工を行いました。 錆びついた部分は丁寧に落とし、 歪みを取りながら機械の本来の姿に近づけていきました。

ネットで調べながら機構の動きを理解し、機屋の親父さんに教えを乞い、 錆落としや潤滑、部品交換の基本を学びました。 劣化したローラーのゴムやベアリングやバンコード(紡績機に使われるゴムコード)も 新品に交換する必要がありましたが、 そのおかげで部品同士がスムーズに動くようになりました。
そして本日、ガラ紡機で糸を紡ことができました。 長い歴史を持つこの機械は、ただの道具ではなく、 現代の高速紡績機と違って、ゆっくりとした動きでじっくり糸を紡ぐガラ紡機は、 手紡ぎの感覚に非常に近いものがあります。原理は同じなので。
これからこのガラ紡機を使って、かぜつちらしい素朴で不揃いな藍染の糸づくりが はじまります。
