ゆっくり
date: 2020年11月23日author: h.namba

ゆっくり

 

かつて一度も農薬・化学肥料を

使った事がない広大な大地で

耕運から棉の収穫まで全て手作業で行い、

収穫した綿を人が手で紡いでいるのと同じ原理を

単純に機械化した和製紡績機「ガラ紡機」を

用いり紡がれた「ガラ紡糸」。

現代の紡績機の1/100の速度で紡ぐ

その「ゆっくり」加減が、

やわらかな手触りを生み出しています。

ガラ紡から紡がれて

生まれた木綿生地は、

手つむぎのように

肌にやさしくやわらかです。

そんなガラ紡ガーゼタオルを

今回、正藍染いたしました。

正藍染とは蒅*1を堅木の灰汁だけで

建てた*2伝統的な藍建て*3による「藍染」の事。

正藍染の特徴として抗菌・防虫・遠赤外線等の効果が挙げられます。

また、色落ちはし難く、色移りがしません。

汗に強く、擦れに強く、 紫外線に強い正藍染と

凸凹や表面の細かな綿毛が特徴のガラ紡ガーゼタオル。

ガラ紡ガーゼタオル自体、

何の加工もせずUV遮蔽率85%以上の

結果を生み出している事と、

一般の木綿タオルより吸水性が優れている事もあり、

正藍染で染めたときの生地自体の効果については

どれくらいのものか分かりませんが、

あると想定し検証をこれから進めていきます。

化学薬品を一切使わない

正藍染とガラ紡ガーゼタオルの生産背景は

現代の画一的な生産方式からすると

「ゆっくり」なのかも知れません。

だけどこの「ゆっくり」であり、

表記にしている材料以外使用しないからこそ、

担保される効果効能や風合い・感触があります。

それを私は健やかな布だと思い、

肌に悩みがある方、お子様に安心して

お使い頂けるものになるのでは

ないかと考えてます。

上述した綿農家の方々や素材作りを担う人、染めを担う人以外に、

重要な役割を担ってくださっている藍農家や藍師の方々など

昔ながら続いてきたものづくりに身を置く人々がいます。

たくさんの人の手を介して、

一枚の布を生み出すこと。

私はその一部分に

なれるように、

まだまだこれからです。

ゆっくりいこう。

1)蒅  ・・・すくもと読みます。藍の葉を堆肥状に醗酵させた原料です。

2)建てる・・・醗酵させることです。

3)藍建て・・・本来の建て方を本建てと呼びます。

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明日から静岡伊勢丹にて出店します。

静岡伊勢丹 6階 リビングフロア ステージ6

静岡伊勢丹

会期:令和2年11月25日~12月1日

会場:静岡県静岡市 静岡伊勢丹 6階 リビングフロア ステージ6

- - 注1 訂正 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

訂正前

: また、色落ち、色移りがしません。

訂正後

: また、色落ちはし難く、色移りがしません。

(注1 色落ち・色移りしない表記について

2021年4月22日に投稿した文中の藍染の効果効能の表現に

色落ち、色移りがしません。と投稿していましたが、

2022年5月1日時点では、言い切る表現は語弊がある事を

経験し訂正をさせて頂きます。

適切には色落ちはし難いと言うのが現状の見解です。

色移りはしないと言う部分は

最初と変わらないと思っています。

m(_ _)m

※既にご覧頂きました方には申し訳ございません。

訂正掲載日 2022年5月1日

訂正者 南馬 久志

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南馬 久志
卒業後、約3年、染屋で丁稚奉公を行い、その後、益久染織研究所 企画室に在籍。故 前田雨城の色の文化史の運営に携わる。2020年 かぜつち模様染工舎として動き出し、今に至る。

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